PMTCという言葉を聞いたことがありますか?
ほとんどの方が聞いたことがないなあ・・・と思われるのではないでしょうか。
その意味は、
P・・・プロフェッショナル(プロによる)
M・・・メカニカル(機械を使った)
T・・・トゥース(歯の)
C・・・クリーニング(掃除)
つまり「歯のプロによる機械を使った歯の掃除」です。
国家試験をクリアーした歯のプロである歯科衛生士や歯科医師が、高度のスキルであなたの歯についた汚れを落としてきれいにします。
上の写真の器具を使って
歯と歯のあいだ
歯ぐきと歯の境目
歯の表面にこびりついた汚れ
など普段の歯磨きでは取り除けない汚れを、プロが徹底的に掃除します。
PMTCの予防効果
今や日本人で歯を磨かない人はほとんどいません。
約95%以上の人は毎日磨いていると報告されています。
それでも虫歯や歯周病になる人が後を絶たないのはなぜでしょうか?
それは、歯ブラシで念入りに磨いているつもりでも、磨き残してしまうことが多いからです。
なかなか磨けない場所は歯磨きのプロである歯科衛生士でさえ、15~20分くらいかけなければ落とすことができません。
歯ブラシのスキルが特に高い方か、遺伝的に虫歯・歯周病にかなり抵抗力がある方でなければ、結果的に虫歯や歯周病になってしまうのです。
そこで予防歯科の学会レベルで注目され、スウェーデンという虫歯予防先進国で長期間の実践の成果として、高い効果が認められると報告されたのがフッ素とキシリトール、そしてPMTCです。
スウェーデンは予防歯科の先進国と呼ばれていますが、そんなスウェーデンで行われた予防歯科に関する研究結果を紹介いたします。20年間定期的にPMTCを受けた患者さんとそうでない患者さんの違いを示したものです。
PMTCを受けなかったグループは受けたグループに比べると、なんと70倍虫歯になってしまったのです。
つまり、虫歯や歯周病で悩まず健康な口を守るためには、毎日の歯磨きにプラスして、定期的なPMTCがとても有効であることが学会レベルで報告され、日本でも少しずつ普及してきています。
一時期某メーカーのキシリトールのコマーシャルで、スウェーデンが虫歯予防の先進国であると紹介されていましたので知っている方も多いと思いますが、スウェーデンは国全体でどのくらい虫歯や歯周病が少ないかご存知ですか?
なんと虫歯は日本の半分以下、歯周病にいたっては日本の4分の1以下しかありません。
1960年代前半頃まではスウェーデンでも日本と同じレベルの状態でした。
どうして減らすことができたのでしょうか?
それは、国全体で取り組んだフッ素とキシリトールとPMTCであると、スウェーデン予防歯科の権威の教授が報告しています。
現在スウェーデンでは子供が学校で、日本のかつての予防接種のようにPMTCを100%近く受けているといわれています。
このような国をあげての取り組みの結果、国民の多くが虫歯や歯周病から解放され、年齢が上がっても入れ歯のない人生を歩んでいるのです。
「虫歯や歯周病は年だから仕方がない」
「日本人の80%は歯周病だから・・・」
「私は歯も歯ぐきも遺伝的に弱いから」
と考えている方も多いと思いますが、今からでも遅くはありません。
今日からやれそうなことを実行してみませんか?
私たちはいつでも喜んでサポート致します。
受診ペース
2ヶ月に1回(年間6回)
虫歯や歯周病への抵抗力が弱い方。毎日の歯磨きに時間をかけられない方。
3ヶ月に1回(年間4回)
虫歯や歯周病への抵抗力が通常レベルの方。※当院の大半の患者さんが該当します。
4~6ヶ月に1回(年間2~3回)
虫歯や歯周病への抵抗力が強い方。
PMTCについてよくあるご質問
Q1.定期的に歯医者さんでPMTCを受ければ普段歯磨きをしなくてもいいですか?
A.歯磨きは毎日する必要があります。
PMTCは普段の歯磨きでは落としきれない汚れをきれいにして、虫歯の予防をする治療法になります。
Q2.どのくらいの頻度でPMTCを受ければいいですか?
A.3~4ヶ月に1回の割合で来院される患者さんが平均的です。
どうして3ヶ月なのかについては、大学の研究で、歯周病菌や虫歯菌が3ヶ月経過すると増加することがわかっているからです。
Q3.痛みはありませんか?
A.やわらかい歯ブラシや歯間ブラシを中心に行いますのでほとんど痛くありません。
多くの方から「すっきりして気持ち良かった」と言っていただけますが、若干の振動や歯への圧力がかかりますので、多少の緊張感が生じることもあります。
Q4.何歳でも受けられますか?
A.特に年齢制限はありませんが、4歳以下のお子様は御本人が受け入れてくれないこともあります。高齢で手を思ったように動かせない方や、色々な道具を自分でやることが面倒な方には特に有効だと考えています。
さらに妊娠中・授乳中の方は、子供の将来の虫歯予防(母子感染対策)という視点からも是非おすすめです。