歯の矯正は痛そうだから心配という人がほとんどだと思います。
歯列矯正に関しても、どれくらい痛いものなのかと心配されるのも当然です。
矯正は多くの人にとっても未知のものだと思います。

矯正中の痛み

それ故に、「痛そう」「恐そう」という理由で矯正治療をあきらめてしまっている人もいるかと思います。
しかし、多くの人が矯正で歯並びを治しています。特に小学生の場合、ほとんどのお母さんから、『入れて2~3日だけ痛みがありましたが、1週間もしたら全く平気にしています』と言われます。

大人の場合でも、『装置交換後2~3日は、浮いた感じですが1週間位で慣れました』と感想を言われる方が大半です。

矯正治療に痛みが伴うことは否定できませんが、一般的にどのような痛みがどの位出るのかを少しでも理解し、納得していただければ矯正に対するイメージを変えて頂けるかと思います。

それではいくつか装置別に紹介していきたいと思います。
また体験された方の意見もご参考にしてください。

床装置(プレート)で拡大する時の痛み

床装置(プレート)

床装置(プレート)は顎を大きく広げるための装置で、患者さん自身が取り外しを行い、拡大ネジの回転をするものです。
装置を装着して最初の1週間は慣れるためにつけっぱなしにするのですが簡単に外れないようにするために少しきつめに調整してあります。
このとき痛みが出ることもありますが、自然に治っていく場合がほとんどです。
その後、取り外しの仕方、プレートの広げ方に進みます。

拡大ネジを使い、1週間に1回0.25mmずつ装置を横に広げていくのですがこの時顎を大きく広げていくために、歯が押されているような痛みが出ることがあります。

広げて3日後にはほとんどの方が落ち着きます。

歯の装置を装着するために歯と歯の間を広げる時の痛み

スプリング

矯正装置をはめて矯正を始める前に、奥歯の間に「スプリング」といわれるバネのような金属を入れて歯の間を押し広げる段階があります。
この時に歯と歯の間に物がつまる感覚と、歯が押されるような痛みが出ることがあります。

ワイヤーにより歯を動かす時の痛み

ワイヤー

実際に矯正装置を入れるときにも痛みを伴うことがあります。
ワイヤーを歯につける時の痛みはありませんが、ワイヤーをつけ初めのうちは歯が浮いたような違和感が出てくることがあります。
これだけでは痛いというより、わずらわしいという感覚かもしれませんが、口が慣れなくて頬の内側を咬んだり、装置が当たって傷がつき、口内炎ができることもあります。
こんな場合は、3日しても治らなければ調整に来院して下さい。

マウスピースを装着するときの痛み

マウスピース

マウスピース矯正は、動かそうとする歯が圧迫されることによって、痛みや違和感が出ます。そして、動かそうとする歯の周りは少しきつく締め付けられる感じがします。

この感覚は、新しいマウスピースを装着した直後に出ます。
装着後2~3日の間は痛みや違和感が出ることが多く、時間と共に歯が動いてくると慣れてきます。
逆にマウスピースを外すと、今まで歯を動かすためにかかっていた力がなくなるため、動いた歯が元の位置に戻ろうとするため、開放感があります。また食事をする時に少し痛みを感じることがあります。

まとめ

矯正治療には痛みを伴いますが、抜歯や歯の神経を取った時の痛みとは異なり、激しい痛みが続くようなものではありません。また痛みを感じるタイミングはある程度限られています。

人によって感じ方は異なりますが、最初に矯正装置をはめた時から1週間くらいと、ワイヤーを装着してから2、3日は軽度の痛みを感じることがあります。
これは歯が動いているために感じる痛みで、今まで歯を支えていた骨から歯自身が動きはじめ、結果として歯の強度が弱くなっているので、かたい食べ物を食べると痛みを感じたりします。矯正治療中に食事をする際に痛みがある場合は、柔らかい食べ物を食べられることをお勧めします。

痛みに関しては症状も感じ方も人それぞれです。
一言でどのような痛みかと言うことはできませんが、基本的に痛みが治療中ずっと続くものではありません。
装置を調整して治る場合も多くあるため、痛みが強い場合は我慢せずに相談に来てください。

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