3DSとは
3DSとは、お口の中の歯周病の原因菌、虫歯の原因菌を減らすために抗生剤や除菌薬をトレー(マウスピース)に入れて装着し短期的に疾患リスクを取り除き、その薬効で菌を減少させる最新の除菌法です。
※3DS・・・
dental 歯科における
drug 薬を
delivery (口の中のすみずみまで)届ける
system システム
の略です。
「3DS」という治療法の位置づけ
虫歯も歯周病も、実は感染症です。
そのため、原因となる「細菌の検査」を当院では必要な方には行っています。「細菌の検査」とは、虫歯や歯周病の原因となる菌のうちどんな種類の細菌がどの位お口の中に居るのかを調べる検査です。その検査結果に応じて、それらの細菌を減らす方法を相談させて頂いておりますがその方法のうちの一つが、この『3DS』です。
では、当院ではどんな患者さんにこの3DSを使うのかを説明していきます。
当院で3DSを使っているケースと禁忌症
当院で使っているケース
- 歯ブラシなどを一生懸命やっても、虫歯や歯周病のリスクが高い場合
- 薬を使ってお口の中の細菌を減らす必要があるが、内服薬は希望されない方
- 虫歯や歯周病の原因菌を早く減らしたい場合
- インプラントの手術前など、感染のリスクを減らしたい時
禁忌症
- 薬物アレルギーのある方
(オロナイン軟膏でかぶれが出る方はお知らせください。一部同じ成分が含まれている薬剤がある為です。) - 口の中にトレーを入れた時の異物感が気になる方
3DSの手順
1.細菌検査
お口の中の細菌の種類と量を検査します。
ここで「3DS」が必要かどうかを判断します。
2.歯の型を採る
薬を入れる為のトレー(マウスピース)を作ります。(トレーが出来上がるまで2~3週間かかります)
3.お口の中のクリーニング
歯科医院の器具を使い、歯科衛生士がお口の中のすみずみまでクリーニングをします。
4.トレー(マウスピース)に薬を入れて装着
オーダーメイドのトレー(マウスピース)に薬を入れ、アレルギー等のチェックをします。
5.ご自宅で除菌
トレーと、トレーに入れる薬剤を持って帰って頂き夜の歯磨き後などにお渡しした薬をトレーに入れて、それをお口の中に装着します。
(詳細な使用方法と期間は、個別に説明させて頂きます)
6.再度細菌検査(トレーによる除菌が一通り終わった時)
再度細菌検査をして、除菌の効果を確認します。
3DSのメリットとデメリット
メリット
・治療がきわめて簡単にできる。
・歯を削ったり、歯肉を切開したりしない。
・通院回数が3~5回位でできる。
・オーダーメイドのトレー(マウスピース)を一度作ってしまえば、簡単に反復治療できる。
・早く、歯周病菌や虫歯菌を減らすことができる。
デメリット
・除菌後、口腔内清掃が長期間不良だった場合にはまた歯周病菌や虫歯菌の数が元に戻ってしまう。
・菌の種類によっては、除菌薬が効かない場合がある。
・歯や歯肉に違和感が出る場合がある。
・薬物アレルギーのある人には使用できない。
・装置の管理使用を自分でやる必要がある。
・保険が効かない。
3DSは誰にでも簡単にできる治療ですので、希望される方はご相談下さい。