「歯を矯正するには、抜歯しないといけないと言われた。歯を抜かないで治療はできないの?」
患者さんからはよくこんなご相談を受けます。

確かに歯科矯正治療では、歯をきれいな位置に並べていく治療なので並べる部分が無い場合、歯を抜いて並べる場所を作ることが必要になってきます。
しかし、だれでも健康な歯を抜くのは嫌なもので、出来たら抜きたくない人がほとんどでしょう。

そこで丸子歯科では、しっかりと事前に診断を行い、治療計画を綿密に立て、特に成長発育期の小児の場合は顎を広げることによって抜歯をできるだけしなくて済むように努めています。

一般的に抜歯が必要になる割合は大学病院の矯正科では7~8割くらいと言われておりますが丸子歯科では小児期より矯正治療を開始した場合、抜歯に至るケースを約2割くらいに減らすことに成功しております。

しかし、矯正治療の目的は多くの患者さんにとっては正しい咬み合わせとなり、バランスのとれた顔つきになることです。
歯を抜かないことを優先するがあまり、歯はきれいに並んだが、しかし、口元や顔つきのバランスが悪くなってしまっては、本来の治療の目的を達成できません。
患者さんのご希望や口元のバランスによっては抜歯を行った方が好ましい結果を得られることもありますので、抜歯をするかしないかについてはよくご相談させていただいております。

開始時期によって矯正治療の方法(抜歯するかしないか)は変わってきます

同じような歯並びの状態でも、矯正治療を開始する時期によって抜歯する場合と抜歯しないで出来る場合があります。
およそ小学校半ば(8~9歳)までにご相談いただくと、顎の成長教育を調整することによって抜歯せずに治療できることも多いです。
そのため歯並びが心配な場合は、その時期(小学校3年生ごろ)までの定期検診を強くお勧めします。
治療開始の時期が遅くなってしまったために、抜歯の治療となるのは出来れば避けたいと考えています。

なぜ歯を抜く場合があるの?

中には抜歯をした方が好ましい結果を得られる場合もあります。
虫歯でもない健康な歯をなぜ抜かなければいけないのでしょう。それは、主に受け口や出っ歯などを改善させるために出過ぎた前歯を後ろに移動するための空間を確保するためであったり、奥歯を後方に動かすのが難しい場合です。
特に、顎の骨がすっかり成長してしまった成人の場合には顎を広げる治療が無理なので抜歯が必要になってしまうことが多くなります。この場合の抜歯は、例えば5人掛けの椅子にはどんなに詰めても6人は座れないので1人が席を譲らなければバランスがとれない、というような状態に似ています。このとき抜く対象となる主な歯は、前歯から数えて4番目か5番目の歯になることが多いです。
この歯が選択される理由としては、咀嚼に影響が少ないこと、前歯を動かしやすい場所にあって日本人に多い八重歯のとなりに位置していることなどがその理由です。誰だって健康な歯を抜きたいなどという気はないでしょう。
治療する歯科医師にとってもそれは同じ事です。
丸子歯科では、なるべく削らない・抜かない治療を心がけていますので矯正歯科治療でもそれは同じ事だと考えています。
そのため、歯を抜くか抜かないかについては、患者さんのご要望をお聞きした上で慎重に検討させていただいております。▲小児矯正歯科のTOPへ