院長の説明

なるべく削らない治療

一度歯を削ると、詰め物をして機能を取り戻すことはできますが、削ってしまった歯は再生することはないため、二度と元には戻りません。

小さな虫歯を削ると、そこには金属、または白いつめものをします。

そしてこのまま予防の対応をしないと、何年か後、またその歯が、虫歯になることがあります。

つめものの下まで、広がっていることがありますので、今度は歯全体に、金属をかぶせます。
そして、さらに虫歯になった時には・・・
もうその先をお話しするのは、やめましょう。

このように、歯は、治療をやったにもかかわらず、悪くなってしまうことがあります。

お恥ずかしい話ですが、歯科医師になって25年たった今になってやっと、私も気づきました。
できるだけ歯を削らないことが一番であることを。
私は、あなたの大切な歯を、できるだけ削りたくありません。
当たり前の話ですが、そのためには、虫歯を作らないことが、一番です。

では、虫歯になってしまった場合どうしたらいいでしょう。
当院では、初期虫歯、軽度、中度、重度にわけて診断した上、治療が必要になった時のみ、治療の開始をしています。

初期虫歯の場合(C₀)

レーザーで虫歯の深さを確認する「ダイアグノデント」という機械を使い、目で見ただけではわからない、虫歯の進行状態をチェックします。
歯が少し黒くなっていても、虫歯はそれ程進行していない時がありますが、このダイアグノデントを使うことで、虫歯の進行具合を調べることができます。
以前は初期虫歯になった段階で治療をすることが基本でしたが、治療をしてつめても、一生もつわけではありません。
ということは、治療をしてしまった歯は、もう一度虫歯になってしまう可能性があるということです。

レーザー診断器

「初期虫歯は削ってしまうともったいない!!」という考えを丸子歯科では実践します。
少し削っただけでも歯にはとても負担がかかります。
もし初期虫歯になってしまっても、削る必要はありません!

でも・・・そのままにしておくのは虫歯がどんどん進行してしまうんじゃないかと心配される方も多いと思います。

そうです!そのまま何もしなければ進行してしまいます。
でも安心してください。予防対策をやっていただければ初期虫歯でも
進行をストップさせることができるんです!!

では予防対策ってなに?!

1、1日1回は5~10分、やわらかめの歯ブラシで歯磨きしましょう。食べたあとの30分間が虫歯ができる時間帯です!!

2、フッ素を定期的に塗布しましょう。
フッ素は歯を硬くしてくれる効果があります。
家庭用フッ素は1日1回、歯科医院でのフッ素は3~4ヶ月
に1回塗布すると、とても効果的です。

3、おやつはダラダラ食べないようにしましょう。飲食の回数が多いと、虫歯になるリスクが高くなります。

4、キシリトールを取り入れましょう。虫歯の原因の酸を作りません。

5、3~6ヶ月に1回、歯医者に定期検診とクリーニングに行きましょう。おうちでの歯ブラシでは届きづらいところなど、歯医者でクリーニングをすると効果的です。

6、虫歯リスクチェック
どうして虫歯ができてしまうのか、チェックすることで予防対策につながります。

7、歯が萌出してすぐの6才臼歯は、削らずにシーラントで守ります。

シーラント

シーラント

これは、あくまでもごく一部の対策方法です。
定期検診に来院された場合は、その方に合った予防対策をアドバイスさせて頂きます。

軽度の虫歯の場合(C₁)

初期虫歯より進行してしまった時は、経過観察を続ける場合と治療に入る場合があります。
一般的に軽度だと治療をするのが普通ですが、当院では、なるべく削らない治療を一番に考えています。
軽度の虫歯の場合、歯に穴があいておらず、他の歯も含めて虫歯のリスクが低い場合は進んで削る治療はおこないません。
虫歯予防をしながら経過観察を続けます。

中度の虫歯の場合(C₂)

中度の虫歯になってしまった時は、削る治療に入ります。
テレビでも放送され、話題になった「3MIX-MP法」を当院では約10年前から取り入れて治療を行っています。
この方法は、虫歯の内部に生きている虫歯菌を薬で減らす治療法で、削る量を最小限にするためには非常に有効です。
できる限りみなさんの歯を健康な状態で長持ちさせたいと願っています。

「3Mix法について」詳しくはこちら>>

重度の虫歯の場合(C₃)

この時におこる症状は、冷たい物がとてもしみる、ズキズキした痛み、痛くて物がかめないなどの症状です。
残念ながらこの段階まで虫歯が進行してしまうと、神経の治療が必要になってきますが、神経を取る前に重度の虫歯の場合でもまず、「3MIX-MP法」を取り入れた治療をし、症状が落ち着いた場合は、神経を残したまま治療することがあります。
この段階まで虫歯が進行する前に来院して頂けることをぜひおすすめします。

数年前までは、虫歯は早期に発見し、早く治療に入るという「早期発見、早期治療」がよいとされてきました。
しかし予防歯科を中心とした歯科医師の一部のグループでは、なるべく治療介入を遅くした方がその人の歯を長く保てると考えるようになりました。
私もその考えに賛成する立場をとっており、約10年前より「早期発見、早期対策」を実践しています。

また、穴があいてしまったとしても、必要最小限の治療にとどめることが最良と考えていますので、3MIX-MP法など内科的歯科治療(薬を使って切削量を最小限にする治療)に積極的に取り組んでいます。

歯がなくなってしまった場合

歯がなくなってしまった場合のくわしい治療内容については「インプラント」のページにのせていますので、参考にしていただくとよいと思います。
当院の基本方針の「なるべく削らない」を中心に考えると、1本の歯がなくなってしまったら両サイドの御自身のきれいな健康な歯を削ってしまうブリッジは、現在はあまり積極的にはおすすめしていません。
機能的な問題がなければ削らずそのままか、機能に問題を感じている方には費用はかかりますがインプラントがベストと考えています。

インプラント

これまでは、入れ歯やブリッジが主流でしたから、これからインプラント治療を検討されている方には、現在入れ歯を使っているという方が
たくさんいらっしゃると思います。
あるいは、1本か2本程度の歯を失った方は、歯がなくなったところの前後の歯を削ってブリッジを入れておられる方も多いと思います。

ここで、入れ歯やブリッジを長年使っておられる方にお尋ねします。
次のような経験はありませんか?

「最初は1本失っただけなのに、何年か経って気がついたら、入れ歯のバネがかかっていた歯や、ブリッジのために削った歯が少しずつ悪くなってきて、結果的に悪くなった歯を抜歯することになってしまった。
それに伴い、入れ歯やブリッジが次第に大きくなってしまった。」

義歯

あるいは、「歯を数本失って仕方なく入れ歯を入れたが、ほほの弾力や張りがなくなってしまった。
最初の1本がなくなった時点で、他の歯に負担をかけずに対応できる治療があったらよかったのに・・・。」

おそらく多くの方がこのような経験をされていらっしゃることだと思います。

このように入れ歯やブリッジでの治療の場合、装置をその場に固定させるため、ブリッジの場合は必ず歯のなくなったところの前後の歯を削りますし、入れ歯の場合には、残っている歯にバネをかけて過重な力を負担させたりします。
場合によってはバランスをとるために遠くの歯を削ることもあります。

このため将来問題が起こってくるのは、仕方のないことなのですが、インプラント治療が一般的に行われる前までは、入れ歯かブリッジしか治療法がありませんでしたので他の歯への負担は避けようがありませんでした。

インプラントの場合

これに対して、インプラントの場合はどうでしょうか?
インプラントは周りの歯を削ったり、負担をかけたりすることはありません。
ですから、口の中をだんだん悪くしていく原因にはならないということです。

むしろ、インプラントは咬み合せる時の力をしっかり分散してくれるので、他の歯の寿命を延ばしてくれているといっても過言ではありません。

インプラント植立前には歯周病でグラグラして抜けてしまいそうだった歯が、周囲にインプラント植立後、咬む力がインプラントに分散できたために、10年以上問題なく使えている多数の患者さんを毎日診ていますので、時間が経てば経つほどインプラントの効果と素晴らしさを私自身が実感しています。

以上のことからインプラントに関しては、御自身の残っている歯の負担を軽減し、長持ちさせる重要な武器と考えていますので、「インプラントをする」ことが目的ではなく、「御自身の歯を守り、なるべく削らず、入れ歯のない人生」を目的にそれをサポートすることがインプラント治療の重要な意義と位置付けています。

インプラント

残念ながら削る治療をおすすめする時

丸子歯科では、「なるべく削らない治療」を基本方針にしていますので、少し進行した虫歯(軽度の虫歯)に対しては「急いで削って治療」はおすすめしていません。
しかし、きちんと診断した上で必要な場合は、もちろん削る治療になります。

1.虫歯がかなり進行し、それ以上の進行を止めないといけない時

残念ながら中等度以上の虫歯に対しては、削る治療は避けられません。

2.歯周病や破折で膿が出たり、グラグラしている歯

歯周病も中等度以上に進行すると歯が浮いてしまい、他の歯よりも先に強くあたってしまう状態になります。
その結果、さらにグラグラが進行してしまい悪化の一途をたどることになります。
そのため、浮いてしまった分だけ削って他の歯と同じ位の咬み合わせになる必要があります。

3.歯がなかったり虫歯が放置してあったため、歯の位置がずれていたりスペース不足できれいに並ばない時

患者さんから、

「早く治療して埋めた方が良いのでは」
「この小さい黒い所を削ってきれいにしてください」

と言われても、削らない方針をお伝えしています。

しかし、虫歯の軽度や歯の位置移動の量によっては、削る治療が必要な場合もあり、特に歯周病は削りながらバランスのとれた咬み合わせにしていくことは、どの学会でも共通した認識です。

したがって当院の方針は、

「絶対に削らない治療」ではなく、「なるべく削らない治療」です。