豊田市丸子歯科 講習会「予防歯科からみた歯周病」に参加して

こんにちは。歯科医師の岡田です。

私は先日
 「予防歯科からみた歯周病」という講習会に参加して来ました。

講師の先生は、大阪大学大学院歯学研究科長・歯学部長の天野敦雄先生でした。

この講習会は歯科医師を対象にしたものでしたが、一般の方々にも役立ち、面白い内容と思われる為、本ブログでその内容の一部を紹介させていただきます。

  1. 歯周病は様々な歯周菌による感染症である。それは昔から分かていたが21世紀になって、特に気をつけるべき歯周病菌3種類が特定された。
  2. その種類とは、
    ・T.forsythia
    ・T.denticola
    ・P.gingivajis(3種内で最強) である。
    ※講師の天野教授が、大阪大学歯学部の学生に「この3種だけは絶対に覚えろ」という程、重要な細菌。
  3. 歯が抜けてしまう程に重要な歯周病になってしまう人の殆どは、この3種類の菌の少なくとも一種類に感染している。
     逆にこの3種類にさえ感染していなければ、重度の歯周病になる確率はかなり低い。
  4. 歯科医院に受診すれば、これらの菌に感染しているかどうかを調べることが出来る。
    但し保険が効かないので、費用が約三万以上かかる。
  5. これらの細菌の感染と定着が始まるのは、中学生から高校生くらいからである。特に最も強い歯周病菌であるp・g菌は18歳以降に感染・定着する。その後30歳くらいまでが感染し易い。30歳を超えると口の中の歯周病菌の「棲み分け」が出来てくるので、以前よりも感染しづらくなる。
  6. 小中学生の頃から、しっかり口の中を綺麗にしておく事で、これらの菌の感染リスクを減らすことができる。
    逆に子供の頃から、口の中に汚れを溜めて歯周炎の状態が続いていると、これらの菌の感染を容易にしてしまう。
  7. これらの歯周菌の感染経緯として、
    ・犬などのペットの口から
    ・他人との直箸での食物の取り分け
    ・異性間交渉
    ・他人と一緒にチーズフォンデュをつつくこと
  8. この3種類の歯周病菌は、鉄が必須栄養素である。つまり鉄が無ければ増えることは出来ない。
  9. 歯周病菌への鉄の最大の供給源は、口の中の出血である。口の中からの出血が無ければ、これらの菌に鉄は殆ど供給されない。
  10. ・口の中から出血が常にある状態
    →鉄分を得て、歯周病菌は桁外れに増殖し、どんどん歯周病が進む
    ・口の中から全く出血が無い状態
    →歯周病菌に栄養が供給されないので、菌は兵糧攻め(ひょうろうぜめ)にあっている状態。
    この状態では歯周病菌は増殖が出来ず、元気もなくなる。

<まとめ>
歯ブラシや歯間ブラシでお口の中の掃除をする時などに(炎症による)出血がある場合には、まず出血が出ない状態にすることが最も大切です。

当院ではそのためのアプローチを患者さん一人一人の状態に合わせて行っておりますので、「歯肉から出血する」という状態だけでも、お気軽にご受診ください。

 

講師_天野敦雄先生本_ペリオドントロジー ダイジェスト

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